tripping poodle

妄想する悪魔の子のブログ。マイブームは音ゲーとアカギ。
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20070503 Thu //  「あの二人はそっくりだもの。根っこのところが、凄く」


「何でお前はそう平然と生きてられるんだ?」

その言葉に、リリナはくるりと振り返った。
自分の愛した人間の、弟。
そうして、暴走した自分を"殺した"青年。

「どうして? 折角生き返ったんだから、
 その命、めいっぱい使いたいじゃない」

苦笑気味に答えると、青年は酷く嫌そうな顔をする。

「何で兄貴はお前を生き返らせたのか、俺には全くわからないね」

口元に嘲笑を浮かべ、身長を含めて見下す形で、青年が言う。

彼の兄――アシャス=バッキンガム。
当時は、次期国王となるはずだった第一皇子だった。
もう少しで国王となることが出来たその次期に、
アシャスを狙う組織に気づいたリリナは一人でその組織と戦い、
実力不足から頼った"破滅の力"が暴走を起こし、
護ろうとしていたはずのアシャスへと襲い掛かった。

その暴走が最後の最後でなりを潜め、自我が表に戻った瞬間に、
同じく"彼を助けた"目の前の青年――ゼラスによって殺されたのだ。

リリナとしては、それでよかった。
アシャスを殺す自分を見るくらいならいっそ死にたかった。
だからこそ、殺された瞬間に笑みを浮かべていた。
最期に思いを伝えられたからなおさら。

しかしアシャスはそうではなかった。
自らの王位継承権と、その声を、そして――リリナの中で
最も彼女を象徴する感情を引き換えに、彼女を生き返らせた。

失った感情――――"恋愛感情"。
アシャスを想い続けた、その恋情を、
全てを失って、リリナは戻ってきた。

その姿に酷く心を痛めた彼女の友人が、
後にその両の視力と引き換えに彼女の感情を引き戻し、今に至る。

現状的に、リリナは感情も命も戻った。
しかし、アシャスは王族とはいえぬ状況で、
かつ声も失ってしまったまま――

確かにゼラスからしたら分からない。
自分にあるべき"利"を断って、
そうまでしてリリナを助ける理由は?
彼のその言葉は、きっと皮肉ではなくて
実際に分からないからくるものでもあるだろう。

リリナは、今度こそはっきりと、苦笑を返した。




「ゼラスさんは、違うの?
 "あの女の子"の事を知ったら、貴方はきっと、
 アシャスさんのようになると私は思うけど」




告げられたその言葉に、ゼラスは一瞬、
訳が分からないという表情をして、首を傾げる。

「どういう意味だよ?」
「さあ。これは、私は言ってはいけないことだから」

尋ねてくる言葉をあっさりと流す。
ゼラスがまた表情を歪めたが、この際気にしない。

その少女は、グレイシアとヒトとの間に生まれた子孫だった。
その少女は、先祖がえりと言う形で、生まれてきた。
その少女は。

リリナは平然とゼラスに背を向けて、歩き出す。
彼は追いかけてはこない。
そこで、表情を僅かに歪めて、立ったまま。

「あ、そうだ」

思い出したように、一言。
振り返ると、それが聞こえたゼラスが首を傾げている。
そんな彼に対して、リリナは笑顔を返した。




「有難う、私を殺してくれて」





死して、なお。


BGM:雪のツバサ/redballoon

ふいに思い立って書いた。後悔はしていない。(真顔)
最終的に生き返り感情も元に戻って万々歳のリリナは、
自分を殺したゼラス君に対してどう思っているかというと
あの暴走の時に自分を殺してくれたことへの感謝。
以前絵板でも語ってましたが、護ろうとしたはずの
アシャスさんを自らの手で殺すことを恐れた彼女は
彼を殺す前に誰か自分を殺してくれ、と願っていました。
そのため、結果的に生き返ったとしても、
ゼラス君に対して憎しみなどはなく、有難うってそれだけ。
そしてこれが、逆に彼を苦しめるような発言でもあるとか?(願望

死んだ後生き返るまでの間、リリナは蒼音の眠る
『空の神殿(スカイ・パリスタ)』に飛ばされます。
で、其処にいる間に神殿を通して全ての流れを見たわけで、
そこでマリンちゃんの事情についても知ってしまったとか。(願望2


今日は午後から学校です。
そろそろ全身に疲労が溜まってます。





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